雲間の朝日に想うこと


< 卑怯者ですか >


いつも受話器の向こうに、
必死にお前を想い浮かべて来たけれど、
今はお前の姿を微塵も感じないように、
大きな鏡だけを想像する。

お前の声にfilterをかければ、
ただの無機質な音声・・・
俺自身にそう言い聞かせる暗示こそが、
自分で張れる最強のfilterだから。




けれども・・・

俺の気持ちが揺れてしまえば、
そんなfilterなんて有って無いような物。

あっさり突破されそうで、
お前の姿どころか声さえ聞くことが出来ない。



 「一番簡単な方法だよね。」



お前の言葉に耳も貸さず、
一通の文だけを送りつける。

そして一方的に、
鏡に映る自分の姿めがけて大きな鉈を振り下ろす。






粉々に割れた鏡・・・

破片でつけた傷が、
俺にはいくつか残っているけれど、
お前の姿は何処にも映っていない。

自分だけの世界に逃げ込んで、
この世の終わりを待つだけ。



 「一方的過ぎる。」



お前の言葉は自然で当然の言葉。

きっと俺に見えない大きな傷跡が、
お前には残ってしまったはずだ。


それで良いのか?


2002年03月29日(金)


----------
History



< 俺の想いに重さを感じますか >


「私も猫になりたい」

ただでさえ猫のような貴女の言葉が、
受話器の向こうから聞こえてくる。


 拾って欲しいのか?
 拾っても良いのか?


半分笑いながら、
冗談交じりに問いかけても、
貴女は「良いよ♪」と一言返すだけ。

けれども・・・


 「本当に拾って良いのか?」


真剣な口調の言葉には、
決して答えは返ってこない。

沈黙の背後には、
冗談交じりにそっぽを向く貴女が見える。




今を壊さず、
するりと逃げていく貴女と・・・

本気で嫉妬して、
俺を掴んで放そうとしない貴女と・・・


どっちが本当の貴女の想いでしょうか?


2002年03月25日(月)


----------
History



< 意地だけで凝り固まっていませんか >


お前の考えている事。
お前が俺に伝えて、
そして俺自身が感じ取った事。

こうして並べてみると、
二人の間の気持ちの狭間がこんなに大きい事が、
良く理解できたでしょう?






俺は開き直ってるわけでもなく、
お前がいくら行動に出していると言い張っても、
俺には届いてないんだ。


わかってくれといくら声高に叫んでも、
通じる物でもない。

どんなに黙っていても、
通じる事もある。

わかってくれといくら相手に頼っても、
全く意味がない事。

わかれわかれと相手に押しつける、
そんな物でもない。



 「しばらく距離おいてみようなら受け付けます」



高飛車に言い放つ言葉は、
お前の精一杯の抵抗。


必死にすがっているお前に、
どう話せば気持ちが届くんだろう?

必死につかまっているお前へ、
何を話せば冷静になれるんだろう?



納得行くとか行かないとか、
どっちが気持ちが足りないとか、
そういう事ではなかろうに。

そう思うのは俺が男だからか・・・


2002年03月20日(水)


----------
History
2001年03月20日(火) 呼び方に拘るのは可笑しいか



< 冗談だと言い切りますか >


あの人は、
冷静に物事を考える人だから。
あの人は、
充分な覚悟を出来る人だから。

そしてあの人は・・・

俺の淡い気持ちにも、
ちゃんと気づいているんだから。


気が付かない素振りを装うなら、
それも良い。
あくまで確信犯を貫くなら、
それも良い。



「離婚したらよろしくね♪」


この言葉に込めた悪魔の呪文は、
諸刃の剣。


2002年03月18日(月)


----------
History
2001年03月18日(日) 想いの強さが問題なのか



< あの選択は正解ですか >


余裕がなかったのは、
俺だけじゃなかったんだね。

だからお互い、
何となく棘があったんだね。


本当に好きだった人と、
久々に電話をする。

「最近優しくなったね」

の問いに、

「いやいや、余裕が無くて・・・」

と答える彼女。
やっぱり自覚してたんだ。



刺々しさは、
何処かに飛んで行った。

徐々に徐々に・・・

目の前に浮かぶ彼女の顔に、
あの可愛い笑顔が戻って来る。


この選択肢を選んで、
本当に良かった。


2002年03月15日(金)


----------
History



< 挑んでも良いですか >


貴女が俺に見せたくなかった顔。
貴女が俺に隠しておきたかった顔。


 「ごめんね」
 「見たくなかったよね」


そう言う貴女の髪を撫でながら、
そう言う貴女に否定の言葉を投げかける。


 「違うよ」



貴女が消し忘れてしまった顔を、
俺は偶然見たんじゃない。
俺は確信的にこの顔を見たんだ。

今更この顔を見た所で、
俺は引いたりするもんか。
俺は怯んだりするものか。




敵意。

俺はコイツだけには負けない。
俺はコイツから貴女を奪ってやる。



今此処にいるのは・・・
深い交わりの中で、
初めて譫言の様に俺の名前を呼んだ貴女。

今此処にいるのは・・・
脈打つ俺に反応して、
無意識に俺を締め付けてた貴女。

今目の前にいるのは・・・
俺しか知らない貴女。
コイツの知らない貴女。




最後のキスは、
決してお礼のキスではない。

最後のキスは、
決して別れのキスでもない。


宣戦布告。


2002年03月14日(木)


----------
History
2001年03月14日(水) もう少し待ってみますか



< 話を戻して良いのか >


お互いが大きく混乱していて・・・
お互いが全く噛み合わなくなって・・・

お互いの非難だけで終わってるよね。


これ以上こんな行為を続けるのは、
とても嫌だから。
とても辛いから。
とても酷だから。




少し口調を和らげます。


きっと・・・

お前の危機感は無くなって、
元に戻ってしまうけれど。


それは・・・

言葉の応酬に耐えられなかった、
俺自身が悪いんだ。


2002年03月10日(日)


----------
History
2001年03月10日(土) そんなことがあったのか



< 心に蓋をするのですか >


受話器の向こうの貴女が、
遠くに遠くに遠ざかって行く。

突然泣き出した貴女を、
いつものように捕まえられない。
いつものように抱いてやれない。


 「何でもない」
 「大丈夫」


問いかけにも答えない・・・
泣きやんでも黙ったまま・・・



何でもないわけがない。
大丈夫なわけがない。
貴女が俺に見せた一瞬の大混乱が、
何よりの証拠。



 何を言いたい?
 何を言えない?


言ってくれない貴女が憎い・・・



 「ごめんネ。」



違う。

俺が聞きたいのは、
そんな半端な謝罪じゃない。


わかってやれない自分が憎い・・・


2002年03月08日(金)


----------
History
2001年03月08日(木) 何故胸の内を開けたのか



< 冷静に俺を見ていますか >


お前の事を考えて、
柔らかい半透膜に身を包んだ言葉を投げても、
そんな言葉が相手に届くわけがない。

やんわり言っても効き目がないのなら、
真直ぐに厳しく言うしかない。


半透膜をくしゃくしゃに丸めて、
生々しい言葉をすべて、
お前に叩き付けたはずなのに・・・。



 「出してるんだよ。」

 「冷たさの中に優しさを。」



どんなに冷たい言葉を吐いても・・・
どんなに厳しい言葉で詰っても・・・

言葉に込めた本質は、
決してお前に届いてくれない。



お前の目は、
俺に曇った汚れた水晶玉。


曇りを取り除く事は、
やはり俺には出来ないのか?


2002年03月06日(水)


----------
History
2001年03月06日(火) 話せない事があるのですか



< 貴女の事だけ考えさせてくれませんか >


貴女に逢える。


二人っきりになりたい・・・
ただそれだけで良い・・・

お互いそう願って、
やっとその機会をつかんだはずなのに、
貴女は何故、
そこにもう一人の人を加えようとするのか。


例え離れていても、
今この時は二人の世界で良いだろう?





そんなに俺とアイツの形が気になるなら、
今すぐ引き千切ってやる。
こんな役立たずのボロボロの鎖なんて、
いつでも簡単に外してやる。

でもその時は、
貴女の後ろに繋がっているボロボロの鎖と、
小さく細いけれど新品の丈夫な鎖と、
2本の鎖を外して来い。

そのくらいの覚悟が出来ないなら、
泣き言なんて許さない。


2002年03月02日(土)


----------
History
2001年03月02日(金) 画面に匂いでも付いていたか



< 今日がそんなに守りたい日ですか >


俺にとって大切で貴重だったあの日々は、
お前にとっては何も無い日々なんだ。

だから・・・
お前はこう言うんだ。



 「逢えなかった十ヶ月近くが、もったいなかった」



半年前に想った事は、
やはり間違いなかったんだね。


俺はあの期間を乗り越えたから、
今の自分があるんだと思える。

俺はあの期間を乗り越えたから、
今の二人があるんだと言える。

何もない日々を過ごしたお前には、
きっと理解できない気持ちなんだね。





逢って一年。

お前にとっては、
待ち望んだ相手にやっと逢えた、
そんな大切な日。


けれども俺にとっては、
もう何も感じない普通の日・・・


2002年03月01日(金)


----------
History
2001年03月01日(木) 日記はおのこもするものですか





Add MyEnpitu

小坊主
MAIL