自身の其の歩みの一部分を、 封じたとしたら。
果たして、 何が生じるのだろうか。
そして、 其の封が解けた刻には。
果たして、 何が生じるのだろうか。
決して、 失われた訳では無くて、 蓋をされて仕舞った、 其の一部分が。
何方に波及するのか。
見極める事は、 容易では無いのだけれど。
記憶を、 封じられた儘まで在れば。
恐らくは。
一から積み直す事へ、 同意する訳も無く。
封が、 解けた其の刻には。
傍に寄り添おうとする筈は、 無いのだ。
先の無い身体で。
あの子は。
「ずっと忘れててごめんね。」 「今まで沢山ありがとう。」
記憶が戻れば、 余計に。
「苦しいときや、哀しいとき、辛い時。」 「楽しい時や分かち合いたい時。」 「色々な時に寄り添ってくれる人を選んでね。」
予想に違わぬ言の葉を、 寄越し続けた。
忘れたって良い。
想い出せなくても良いのだ。
あの子の、 命が続くのなら。
あの子に、 歩む機会が与えられると、 そう言うのなら。
---------- References Feb.23 2017, 「付纏いと変わりませんかか」 Feb.07 2017, 「忘れる刻限が来たのでしょうか」>
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