丁寧に、 丁寧に、 其の場へ注意を向けていれば。
僅かな応力は、 違和感として感知され。
何らかの想いで、 其の歪みを、 修復出来る筈だけれど。
想いは、 時々滞って了うから。
充電無しに、 四六時中放ち続ける想いなど、 持ち合わせて居ないから。
何時の間にか、 其の場に隠し溜められた歪みが。
僅かな応力で、 鋭敏に、 場の釣り合いを、 狂わせて終うのだろうか。
少しだけ、 予定が狂っただけなのに。
時間の読めぬ会合が、 一つ、 紛れ込んだだけなのに。
「午前中では終われないと思う。」
「午前中だけって言ってたじゃない!」
休日の昼の、 姫との約束が。
一つ流れ。
「小坊主がいうこと、信用できないじゃない!」 「ずっと一緒にいるとか。」 「全部信じられないってことじゃない!」
俺の想いや、 俺の言葉は。
全て嘘だと、 姫の、 想いの内に刻まれた。
信を重ねて、 積み上げる事の困難など。
理解して居るけれど。
是か、 非か。
何を問われても、 応えを、 躊躇して了いそうに成る。 |