過酷な環境に、 其の身を置く故に。
他に向かう意識を、 削りに削って。
自身の総てを、 其処に向けねば為らないから。
例え、 僅かで在っても。
自身の想いが遺る可能性を、 排除出来ぬ要素は。
総て、 捨て去って置きたいのだ。
けれども。
其れは、 向かう自身の周囲から、 総てを奪う事と。
同義だから。
自身の生を、 一つ残らず摘み去る事と。
何ら変わりない。
何も、 生えぬ土地より。
例え、 雑草に埋もれたとしても。
例え、 僅かな彩だとしても。
蒲公英の咲いて居る荒れ地の方が、 糧に為らぬだろうか。
「そういえば。」 「彼女出来た?」
あの子は。
今日も、 其の総てを引き剥がそうと。
無理矢理に呟いた。
---------- References May.24 2016, 「愚図な想いも力でしょうか」 Mar.07 2016, 「待って居るしか無いのでしょうか」
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