見付からぬ欠片が。
ぷつりと、 其の繋がりを断ち。
所々で外れた欠片の。 其の連なりが。
余計に、 不可思議な世界を創るのだろうか。
一つ、 一つ。
紡がれ、 深みを増す筈の、 欠片は。
時折。
迷子の子猫の様に、 か細く惑う。
繋がらぬ欠片を、 見付けては。
「写真見ても分からないのがいくつか。」 「航空券の履歴とか照らし合わせると。」 「写真も合致するんだけれど。」
「うん。」
「行った記憶が無いの。」
「そっか。」
あの子は、 必死に紡ぎ直そうと、 試みた。
ならば。
繋いで居ない欠片を、 新たに結えば。
或いは。
眠り続ける記憶まで、 呼び覚ませて了えるだろうか。
「明太子さんどうしたの?」
西都の、 あの子が選んだ筈の、 欠片に。
「隣のわさおは覚えている?」
陸奥の、 あの子が選んだ欠片を、 結い直す。
少しでも。
想い出す切っ掛けに、 為るように。
---------- References Sep.22 2014, 「最後の最初は後幾つ在りますか」 Apr.29 2013, 「もう一度逢える道中でしょうか」 Sep.24 2014, 「消えて保てる想いでしょうか」
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