幾千幾万の言の葉に宿した、 想いですら。
僅か一語の重みに、 敵わぬ刻が在るのだけれど。
幾多の言の葉を希いながら、 僅か一語ですら儘ならぬ想いの、 其の重みは。
如何程だろうか。
繰り返し、 繰り返し、 脳裏で木霊する其の、 七文字に。
少しでも敵う様にと。
幾度も、 幾文字でも、 言の葉を返す。
所詮、 敵わぬ想いと知りながら。
「かんせんしよう」
あの子は、 必死に一語を搾り出した。
痛みも。
辛さも。
高熱も。
乾きも。
救いも。
憤りも。
憂いも。
悔いも。
恨みも。
唯七文字を吐き出すだけ、 精一杯で居る事も。
小文字に変える力すら、 惜しい事も。
其の総てに、 想いを寄り添わせて居ると。
僅かでも、 伝わってくれと希う。
意識すら、 無いかも知れないから。
---------- References Mar.27 2016, 「命を否定する懇願を是認出来ますか」
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