本来ならば。
二者の、 中間に在って。
両者を繋ぐ、 大釘を、 演じる筈なのに。
文字通り。
二者の、 中間に在って。
両岸を隔てる、 衝立役に、 徹して居るのだ。
本来ならば。
二者の、 中間に在って。
両者を繋ぐ、 大釘を、 演じる筈なのに。
文字通り。
二者の、 中間に在って。
乾と、 湿と、 二人が両側に在る事を、 強要するのだ。
「ふぅ。」 「姫と風呂にも入れないなぁ。」
「それに。」 「一緒に寝るのもできないよ。」
互いを触れ逢わせる、 最低限の、 其の機会迄も。
お互いの鎹が、 奪うのか。
今夜も、 大声を張り上げて。
川の字で寝かせろと。
娘は、 自身の布団を、 拒絶する。
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