例え既知の事柄でも。
其の総てを得た訳では、 無いから。
偶々、 其処に触れる事で。
零れた欠片を、 良く見付けるのだけれど。
嘗て。
零れ落ちた程度の、 破片故に。
往々にして。
其れは。
好ましからざる疵を、 掘り返すのか。
再来週、 あの子の産まれた土地を訪れる、 出先の同僚と。
観光地の話に、 花が咲いたのだと言う事を。
ふと。
あの子に伝えると。
「其処。」 「彼氏を葬った路。」
想いも掛けぬ、 言の刃が。
瘡蓋を剥いだ。
無論。
何時か、 二人で行こうと希う、 場所だけれど。
不意に刺さる刃は。
心構えでくるめぬ分。
深く迄、 浸食して了うね。
---------- References Apr.21 2012, 「未だ進めぬ日付でしょうか」 Jul.21 2011, 「照らせる深さでしょうか」
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