曇硝子の向こうが、 透ける迄。
薄く、 薄く、 其の硝子を研磨して置きながら。
其の先を、 決して覗かれぬ様にと。
必死で、 其の前を遮り続ける。
其れは。
混ざり気の無い想いが、 其処に投影されたからこその、 矛盾だろうか。
嘗ても。
そして、 今も。
もう一押し、 強引に踏み込めば。
此処には、 異なる想いの渦が在るに違いないと。
朧気に 想い浮かべながら。
塞いでは透かし。
汚しては磨き。
築いては壊す。
花見の彼女の、 其の姿を。
からかい半分に眺め続ける。
「息子は元気なの?」
「息子は今日から合宿でいないの。」 「だから泊まりに来ちゃ駄目よ。」
「だったら言わなきゃ良いだろ。」 「元気よだけで。」
「私って安い女。」
「人聞きの悪い・・・。」 「未だ何も許して無いじゃん・・・。」
「駄目だからね。」
「分かってるから。」 「もう少し大人に成れよ・・・。」
そうね。
全部明け透けなのに、 頑な。
餓鬼みたいな、 其れが魅力だったよね。
---------- References Jun.22 2008, 「実は嬉しかったですか」 Sep.20 2004, 「中身も備えた誘いでしょうか」
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