幾つもの制約が、 其処に、 立ち塞がって在るから。
其の狭間で、 互いを想える刹那は。
殊更、 尊い様に感じるけれど。
時に、 其の感覚は。
事の軽重を過たせ。
本質を、 霞ませて了う。
互いを慮る事も、 支えに成る事も、 感謝に値する事も。
決して、 軽んずべき事では無いけれど。
少しでも、 苦痛が緩和され。
少しでも、 穏やかに休める事が。
何を置いても、 求められるべき事なのだ。
「お休み続きでご迷惑おかけ致します。」
「とんでもございません。」
柵の、 隙間を縫った電話は。
求められた、 必要な援護に違いないけれど。
「初めての旦那としての役目が。」 「会社への欠勤の電話とはね。」
「担当者外出だって。」 「言伝頼んだよ。」
「小坊主ちゃん、有り難う。」 「助かったよ。」
漂う香りが。
一瞬、 現実の知覚を麻痺させる。
何故に。
忘れて終いそうに成るのだろう。
一文字、 一文字、 必死に打ち込みながら。
相当な時間と精神力を消耗して、 此の電信が、 届いて居る事を。
---------- References Oct.15 2014, 「休んだ理由だけなのでしょうか」 Oct.07 2013, 「請われる儘で居て良いですか」
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