自身の欲を顕すのか。
或いは、 内なる不安の象形か。
現実の、 復唱に過ぎないのか。
奥底の、 意識が視得るのだろうか。
其れとも。
行く末の暗示なのか。
其処に表出する世界観の、 其の意図は。
未だ、 明確では無いのだけれど。
何度繰り返しても、 何度繰り返しても。
此の上で、 恍惚に身を委ねるあの子の姿が。
俺には描かれて。
此の世の者では無い存在に、 蹂躙され。
或いは、 嘗ての盲目的な想いで満たされた狂気の刃に、 深く其の身を抉られる像が。
あの子には映される。
「片方が幸せな夢を視ると。」 「もう片方は反対に恐ろしい夢を視るんだよ?」
「ん?」 「何かの保存法則なの?」
真偽は不明瞭な、 あの子の、 其の言葉に。
一先ず、 肯いたけれど。
「何かの保存法則なの?」 「だったら俺が変な夢見れば良いのか。」
「いや。」 「でも。」
「だよね。」 「俺が変な夢見たのにそっちも同じじゃ大損だよね。」
「うん・・・。」
取り憑かれた様に。
あの子は、 幸せな夢は視られないと、 断定した。
長い間を費やして、 鎖して閉まったあの子の朝を。
何時か。
何時か。
温かい想いで明けたいと希う。
もう。
僅かな時間しか、 残されて居ないけれど。
きっと。
---------- References Jul.26 2011, 「履歴に値する想いでしょうか」 Jul.04 2013, 「其処迄酷い雄でしょうか」
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