< 何を残して消えたのですか >
お互いがお互いの顔など知らず、 其の日初めて会った二人が。
共通の知人を通して知り合った、 徒の二匹が。
何故話題に出したのか。
無意識下で、 何時の間に。
何故其の話題に行き着いたのか。
「どうしてるか知ってます?」
「わからないんですよ。」 「今はこっちじゃなくて千葉なんですけど。」
「そうなんですか。」
「でも二ヶ月音信不通。」
違う。 無意識の流れでは無い。
俺は出汁か?
目の前のこの人が、 少々と言うには大き目の迂回をして、 此処へ来た理由は。
俺じゃなく彼女か?
「年の割りに色々経験してるみたいだし。」
「そうそう。」 「いろいろ大変みたいですね。」
妙な気配を感じ取りつつ、 相槌を打ちながら。
何らかの心残りが、 この人の胸にも棲んで居る事を、 探り捕った。
俺にも在るんだ。
聞き取れなかった何かが、 棲んで居るんだ。
二週間を経た今日この日も、 それは変わらないんだ。
あの時以来。
俺の如何なる問いかけにも、 反応が無いから。
あの子の為の音を、 携帯は一度たりとも奏でないから。
---------- References Jul.02 2003, 「口を封じてしまいましたか」 |
2003年10月22日(水)
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