其れは、 自身の与り知らぬ領域で、 形作られる物。
幾ら願えども。
其処に、 関与する事など、 不可能で。
幾ら謀ろうとも。
其処に、 利や悪意を差し込む事も、 出来ぬのだ。
其れ故に。
以前の、 何かと。
競べて居るかも知れぬ、 其の言葉尻に。
一瞬、 嫉妬し。
直後に。
其の、 言の葉の意味する位置を、 探り当てて。
余計に嫉妬する。
「此れ。」 「狡い。」
「俺のせいじゃないでしょ。」
「こんなに激しくした事。」 「無かったじゃん。」
「嫌いだったんじゃ無いの?」
切れ切れの非難を口にしながら、 溺れて行くあの子を。
見下ろして。
想いで繋がる事を、 此れ迄、 怠けて居たから。
迷いや疑念や逆向けの想いも、 総て飲み込んで了う、 此の刹那が。
狡く感じるのだと。
奥底に、 想いを埋め放つ。
---------- References Oct.07 2013, 「請われる儘で居て良いですか」 Aug.05 2011, 「自然に手を伸ばせますか」 Jun.20 2011, 「最内に触れた証拠でしょうか」
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