一度でも。
丁寧に、 丁寧に、 縒り逢わせ掛けた綱と、 吹いた芽は。
朱と紙とでは、 簡単に絶ち難い物だと。
経験で、 既に良く知るが故に。
其処に、 時間を費やす事も。
決して、 厭わずに居たのだけれど。
飽く迄。
其れは、 時間的な制約が無い環境下に、 限られる。
限られた時間で、 何を為すか。
其れは。
優先順位に応じて、 何かを、 捨てる事と。
同義なのだろうか。
総てを、 投げ出したかの様に。
「私には時間が無いの。」
俺の腕の中で。
一言だけ、 あの子は呟いた。
---------- References Aug.14 2012, 「禁句が幾つ見付かるでしょうか」
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