自身が好む事柄の、 僅か一部分に。
或いは、 自身が欲する行動の、 僅か一部分に。
自身が望まぬ、 寧ろ、 忌み嫌う領域が、 含まれて居るとしたら。
其の、 事柄や行為は。
白と、 黒と、 何方に塗り分けられるのだろうか。
大部分を希い。
代償として、 一部を受け容れ、 我慢を、 重ねるのか。
其れとも、 一部を拒絶して。
大部分の望みを、 捨て去り、 失う事を是とするのか。
全てが、 同色で染められる事など、 稀有で在る故に。
選択には、 痛みが伴うのだ。
何れを、 選んだにしろ。
心地好い大部分に、 飛び付いておきながら。
何時も、 姫は後悔をする。
「う〜。」 「嫌だ、離れてよ!」
「あのなぁ。」 「抱き付いたの、姫の方でしょ?」
「う〜。」 「気持ち悪いぃ・・・」
「人に抱き付いておいて気持ち悪いって。」 「それって相当失礼じゃん・・・」
姫の想いに応えて。
大急ぎで、 俺は、 帰って来たのだから。
少し位、 汗まみれでも。
我慢しようとか、 想わないの? |