雲間の朝日に想うこと


< 助けちゃ駄目ですか >


動揺して収拾のつかない貴女。

俺の言葉が通じていない。
俺の言葉は全く耳に入っていない。



 「全部話して良い?」



たった数文字に込められた不安感。


文字なのに。
声ですらないのに。

今にも壊れそうな貴女の姿が、
目に浮かんで、
目に焼き付いて、
目から決して離れない。








貴女を助けちゃいけない。
貴女は自分で考えなければならない。

俺の頭では答えが出ている。


貴女が成長する為には、
俺の手助けは邪魔者でしかないのだから。






 「全部話して良いって言ったじゃん」
 「嘘を吐いたのは貴女でも、俺と一緒に吐いた嘘でしょ?」
 「俺の事は後回しで良いから」
 「裏切った友達の事だけ考えろよ」
 「俺は大丈夫だから」





昨日懸命に伝えた筈の、
けれども全く届いていない言葉達。

もう一度だけ言いかけて、
やっぱり飲み込んだ。


2002年09月14日(土)


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