一つ一つの切片に、 応じるか、 応じないか。
其の閾値は、 飽く迄、 自身の想いで定められるけれど。
其の閾値の変化には。
恐らく、 他者が介在出来る。
其れ故に。
自身の介在に応じた、 閾値の変化は。
自身への想いが、 未だ、 少しは残存するのだろうかと。
そう想わせる。
朝方。
「今夜が点灯式だけれど。」 「見に行かない?」
「気乗りしないんだよね。」 「体調も悪いし。」
杜の街の電飾の、 其の、 肇の刻を。
拒絶して居た筈の、 姫が。
「天気も回復したし。」 「行ってみない?」 「準備して置くから。」
日が夕闇に移り始める、 其の寸前に。
閾値を、 此方に寄せた。
時折魅せる、 其の僅かな可能性が。
玩ばれて居る様で、 時折、 無性に腹立たしい。
|