アイツの記した言葉は、 誰に宛てた気持ちだったのだろう。 アイツの残した文章は、 誰に宛てた想いだったのだろう。
そんな悩みを持つ必要は無いのか。
「きっと勘違いなんかじゃない」
アイツは何故、 この言葉を記したのだろう。 アイツは何故、 この想いを残したのだろう。
そんな悩みを持つ必要も無いのか。
「ただ自分の思う事を書いただけ」 「何一つ小坊主に対して言ってはいない」
ふと懐かしい想いがした。
当たり前だ。
散々言い合って堂々巡りを繰り返したあの時と、 アイツは何ら変わっていないのだから。
俺は大きく変わっているけれど、 アイツは身動き取れないままなのだから。
「あれが小坊主に対する気持ちであっても・・・」
「あたしはわかってくださいとも言っていない」 「あたしは返事をくださいとも言っていない」
それならそれで良い。
諦めであろうと、 失望であろうと、 強がりであろうと。
俺は義務を果たしたんだ。 |