自身に届けられた、 其の音は。
時に、 元の言の葉の原形すら留めぬ、 別の姿として。
捉えられたりするのだけれど。
例え、 似通った拍子に、 似通った抑揚だとしても。
互いが、 互いに、 別々の言の葉を交錯させながら、 共鳴するだろうか。
夢現の発声器に、 夢現の受信器。
唐突に笑い出した、 其の姿に。
喘ぎ。
其の喘ぎが、 更なる笑いを呼び覚まし。
一瞬で総てが壊れる。
「あのさ。」 「真っ最中に大笑いしてぶち壊すか?」
「だって。」 「大笑いしてるんだよ?」
「無視すりゃ良いだろ。」
「だって。」 「ほら。」 「ぎゃははははって。」
間欠的な喘ぎに、 応じて。
夢中の娘が、 大笑いを始めた。
どんな夢を見て居たのかな。
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