雲間の朝日に想うこと


< 最後の糸を切れませんか >


お前の声が聞こえないふりをして、
沈黙を続ける。

 「あなたの意志を尊重しようと思う。」

お前から引き出された結論は、
一度離れてみる事。

此処まで辛抱して、
俺はやっと重い受話器を持ち上げた。




成長の証が形になった時は、
もう二人の絆を切った後なんだ。





時々言葉に詰まったり、
時々沈黙が続いたり。

まだ二人の距離は揺れ続けているけれども・・・
何でも言えるようになったお前が、
確かにそこに居た。


 「これで一度恋人は解消って事で。」
 「これからもよろしく。」


これで・・・

お互いの道に一歩ずつ、
徐々に踏み出して行けるだろう。

そう思っているのは、
実は俺だけなのか?



 「必要だと思った時にはあたしからも言うから。」
 「気持ちが落ち着いてたらもう一度一から始めてね。」



お前の中には、
まだ最後の未練が残っている。

お前の言った「良い形で終わる」とは、
こんな形を指しているのか?


2002年04月03日(水)


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