身体を、 ふわりと浮かべて。
流れ着いた、 其の場所こそ。
正直に。 偽らずに。 想いの儘に。
在る場所なのかも知れない。
けれども。
其の、 身体を浮かべる事自体が。
殊の外、 困難なのだ。
流れの収束する、 其の場所へ。
指先を、 触れ掛けて居ても。
足下に絡まる、 海藻は。
決して。
互いの身体が、 浮かび上がる事を、 許さない。
此の、 指と指を。
触れ続ける為には。
足下で。
偽りの戯れを、 維持しなければ為らない。
そして。
何れ程、 藻掻いても。
指先を、 掌に納める事は無い。
矛盾と、 悲観に、 満ち溢れた努力に。
「おかしくなりそうなの。」
半ば、 狂い掛けながら。
其れでも。
流れの、 行き着く先で。
ようやっと、 触れる事が出来た、 其の指先を。
手放す事など、 出来る筈も無いのだ。
お互いに。
---------- References Mar.10 2006, 「一歩目は何処に在るのでしょうか」
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