極僅かな、 可を連想させる一言が。
或いは、 充分に優を意味するのだろうか。
其れとも。
矢張り、 勘違いだろうか。
閾値や範囲は、 個々人其れ其れに違うから。
相手の最大値が、 自身にとって大した分量にも成らぬ事は、 自然な事だけれど。
一方で。
常に、 其の範囲を最小限に留める事で。
然程多くは無い変化を受容する様に、 飼い慣らされたのかも知れない。
別段、 何の見返りも期待せぬ、 普通の行為に。
「アイスコーヒー入れてくれたって。」 「ケチはケチだからね。」
恐らくは、 大いなる感謝の想いが、 届き。
「コーヒーなんて入れてくれたって。」 「産まないからね。」
嘗ての、 姫から届いた感謝を、 想い。
ふと、 笑いが零れる。
其の言葉は。
本当に、 姫なりの目一杯なのだろうか。
「コーヒー美味しい。」 「ときどき淹れてね。」
嘗ての、 姫のたった一言の、 感謝に。
ずっと、 ずっと、 縋りながら。
今朝も、 雲間の朝日が手元を照らす。
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