満ちて居た水海が、 翌日には完全に干上がり。
其の後、 其処にどれ程水を注ごうと。
全てが地に浸み込んで、 全く反応が無くなったから。
突然の環境の変化か。 突如の心変わりか。
何れにせよ、 自分の存在を消す理由を要したと、 自身に理解させた。
年明け早々に。
半年振りに突如届いた、 近況を欲する文。
満ちた潮が、 徐々に徐々に干潮へ向かったのなら。
流れの変化を思い、 此れ程の惑いを感知する事は、 無いのかも知れない。
あの子も見た事の在る、 俺の甥の事。
あの子と共通の友人が、 俺の街を訪れ、 一緒にあの子の話をした事。
素直な近況報告と。
貴女は恐らく、 元気な事。
俺の想いは、 恐らく破れた事。
話さぬ近況報告と。
「今度はウチとデートね!」
「へいへい。」
俺との交流を断つ故に、 文を絶った訳では無い事を知り、 安堵感に覆われつつ。
あの子が文を寄越した理由を、 何時に無く警戒して。
ほんの少し、 嘘を含んだ文を返した。
---------- References Oct.22 2003, 「何を残して消えたのですか」 |