実の距離は。
時に、 心の距離を短絡し、 飛躍的に縮めて了う一方で。
実の密度は。
抵抗値を高く保ち、 強く、 想いの流入を妨げる。
果たして。
距離と密度の、 何れが、 優先されるのだろうか。
僅か通り一つ隔てた距離を、 短絡出来ずに。
歯噛みする。
今、 独りで居たのなら。
きっと。
其の頑なな頑張りは、 折れて終うのだけれど。
寧ろ、 折って終わなければ。
きっと。
真の頑張りなんて、 出て来やしないのに。
横断歩道の向こうから。
「今日はやっぱり逢えません。」
一言、 携帯へ文字を飛ばし。
其の姿は。
三次会へ向かう人集りに、 消えて行った。
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