眼前に其の姿を映して。
互いを貪り、 互いに埋もれる刹那は。
同じ刻を共有し在る様に、 想うのだけれど。
其処に至る、 其の僅かな間隙には。
少しずつ。
誤差が、 蓄積して居るのだろうか。
其れ故に。
互いを搾り尽くし。
其の身体を、 個に、 切り離した直後から。
未だ、 喰らい尽くせぬ何かを感知して。
想いが、 揺らめくのかも知れない。
互いの、 今朝では無く。
互いの、 今を想って。
「幸せな時間だったけれど。」 「辛いの。」
ふと。
埋まらぬ欠片を、 探し始める。
擦れ違いだろうか。
希う想いが、 少し違って居たのだろうか。
俺は、 もう少し話したかった。
坂の街の人は。
多分、 もう少し触れたかったんだろうな。
---------- References Feb.12 2008, 「交わさぬ想いは育つでしょうか」 Jan.28 2007, 「相手の言葉を使いこなせますか」 Jan.09 2007, 「微かに鳴る音色でしょうか」
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