互いの希望を、 ひとまず封じ込めて。
互いの制約を、 浮き彫りにして論じれば。
確かに。
此の空間が、 最適なのかも知れないけれど。
一方で、 此の空間は。
手を伸ばせば、 意図も容易く届く程に。
互いを侵食する領域と、 近接して居るのだ。
其れ故に。
既に、 不文律は形成された後で。
何方に主導権が在り、 何方が受動態で在るのか。
唯、 其の責めの矢を何方に向けるのか、 定義するだけだったのだろう。
日付の変わる、 少し前に。
「時間大丈夫?」
「今から帰れって言うの?」
「コントロール出来るならね。」
窓辺の、 坂の街の人は。
巧みに、 先を取る。
「成功したって思ってる?」
俺に触れながら。
少し悪戯っぽい瞳で、 笑みを浮かべる、 坂の街の人は。
或いは。
成功したと、 想ってるのかも知れないな。
---------- References Feb.15 2007, 「贈り物が必要でしょうか」
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