一つ、 一つ、 習慣化された事象を、 なぞる事は。
時に。
互いを顧みて、 其の絆を再構築する役を、 担うのだけれど。
其れを、 誘発させる因は。
別に、 互いの手に委ねられずとも、 構わないのだ。
けれども。
本来は。
未だ、 一瞬一瞬で誘発される衝動に依存して、 方向を定める筈の存在が。
既に、 連動した記憶に沿って。
恰も、 他者を誘導するかの様に、 映る事へ。
戸惑いを覚えて了う。
自身用の、 其の御車の上から。
「こっち!」
「どっち?」
「こっち行くの!」
娘は、 俺に下知して。
自身の欲する儘。
覚えた規定路を、 俺と、 姫とに、 歩み進ませるのだけれど。
本当は。
今に至る、 二年余りの記憶の途を。
俺と、 姫とに、 なぞらせて居るのかも知れないね。
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