自身の想いが、 何れ程深く、 何れ程強かろうとも。
時として。
想いとは別次元の、 利得を追い。
自身に備えぬ能力や、 自身の足りぬ実力を。
相手に求める事が在るから。
自身は、 相手より大きく強い存在だと、 認識させる事が。
同時に。
想いの強化に、 直結するのだろう。
其れ故に。
本来の、 想いを満たす為には。
飽く迄、 切る必要の無い術を。
威圧の為に。
予想の範囲を逸脱し、 多少意識を混乱させる為に。
用いたのであって。
其れは。
最近此の手に仕入れた術では、 決して無いのだ。
手指の遊びで。
「どうして?」 「どこで覚えてきたの?」
何度か意識を失い掛けた、 姫の問いへ。
平然と、 無言で、 事を繰り返す。
最後の最後でも、 決して切らぬ切札を。
此の手に、 未だ秘めて居るのだと。
更に誇示する為に。
---------- References Dec.16 2004, 「物足りない呼び掛けでしたか」 |