進んでは無いと、 感じたのだ。
其れでは、 何の進歩も無いと、 想ったのだ。
繰り返し、 繰り返し。
其処には、 何の意義も無いと想って居た。
其れ故に。
自身か、 相手か、 其の双方が。
想いを、 柔軟に対応させるか。
或いは、 其の前提となる決め事に、 変更を加えるか。
事の解決を図る術は、 其の何れかだと想って来た。
護れぬ決め事で、 何度も、 何度も、 言い合いをするならば。
其の決め事を。
二人に合った形へ、 変えるしか無いだろう?
沈黙は、 拒絶の沈黙では無い。
新たに飛び込んだ感情を、 天秤に掛け。
飽く迄、 其の重みを推し量って居たからに、 他ならないんだ。
「またぶつかれば良いじゃない。」
「また?」
俺が、 決め事を護れぬ度に。
姫が、 暴発する度に。
同じ事を、 繰り返し確認し合えば、 其れが進歩だと。
強く言い切った姫の、 其の言葉に。
強い何かが、 隠されて居る気がして。
必死に、 其の正体を探ったけれど。
未だ、 判別出来ない。 |