其の過程に、 芯を据えて居るのだろうか。
其れ故に。
其の華を、 三者が、 眼に焼かずとも。
既に、 自身の想いは満たされて居るのかも知れない。
けれども。
其れは。
同時に、 或る種の想いの消失をも、 証して終うのだ。
姫は。
約束の華に、 夢中で携帯を向け。
娘は。
華になど興味が無いとばかりに、 歩き回り。
そして、 俺は。
娘を目で追い、 華など観ては居なかった。
初めの、 数発の轟音に、 驚き。
一瞬、 泣き顔を魅せながらも。
直ぐ様、 光点に目を向け、 不思議そうに眺めた筈の娘は。
本当は、 何を観て居たのだろうか。
今年の約束の華は。
我が家からの、 全く同じ場所からの。
別々の華だった。
---------- References Aug.06 2006, 「約束の華は待てば届くのですか」
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