其の意図や、 其の意味を、 理解せぬ儘でも。
模倣は。
時に、 同等の効果や技能の向上を、 もたらすから。
観て、 真似て、 喰らう事で。
其れを、 自身の糧とするのだけれど。
他者の行動を、 逐一、 なぞり行く事は。
同時に。
真似た対象すら気付かぬ、 其の裏をも。
一瞬に、 映し盗って終うのかも知れない。
決して。
其の手を、 誤魔化しの手段として用いた事は、 無い筈なのに。
「あー嫌だ!」 「小坊主とおんなじ!」
姫は。
娘から、 俺の裏を嗅ぎ盗って居るのだろうか。
今日も。
娘は、 口を尖らせて。
「ちゅ〜♪」
覚えたての言葉で。
必死に、 姫の御機嫌を伺う。
自身の悪戯を誤魔化す為に。
---------- References Jul.06 2005, 「口先だけで操る心算ですか」
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