勝手に、 自身の内側から生じた像で。
其処に、 外界からの刺激など、 存在しない。
其れ故に。
念じた想いが届いた、 其の結果、 生じた出力では無くて。
飽く迄。
偶々、 其の刻に脳裏に造創られた出力に、 過ぎないのだ。
其れでも。
其の偶然は、 印象深き事柄として、 刷り込まれ。
偽薬の様に。
互いの想いを、 記憶へ、 刻み込んで行くのだろうか。
現実には。
何の報酬も、 附与されぬのに。
「桃好きだったよね。」 「小坊主に食べさせたいと想って買って来たの。」
「丁度食べたいと想ってたよ。」 「伝わるんだねぇ。」
坂の街の人は。
俺を想い、 初物の桃を味わい始めた。
---------- References Jul.09 2007, 「想えば現実に届くでしょうか」
|