自身に在る知識と、 自身に具わる想像力とを、 駆使して。
自身には視る事の出来ぬ、 互いの環境を。
必死に、 脳裏に映し出すのだけれど。
幾度と無く、 此の耳に入れたとしても。
僅か一度、 此の眼に焼き付ける事の方が、 優位だから。
時に。
届かぬ想いに、 歯噛みを繰り返すのだ。
必死に浮かべた、 其の像は。
所詮、 自身の創造し得る範囲からは、 飛び出せない。
そして。
自身の贈る想いの、 其の範囲も。
自身の創造し得る範囲以上には、 所詮、 届かぬのかも知れない。
「全く別の世界だもの。」 「分からなくてあたりまえ。」 「大事なのは分かりたいと想うことなの。」
放った想いは。
現実に在る世界観へは、 到底響き難い想いで在る事に。
坂の街から返る想いで。
初めて、 気付かされる。
「小坊主は。」 「聞こえないひとを私以外に知ってる?」
其れだけじゃ無い。
俺も、 坂の街の人も。
抑も、 お互いの何も、 知っては居ないよね。
---------- References Jun.27 2007, 「初めてばかりで惑いませんか」
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