既に、 数える事など放棄する程に。
積み重ねられた、 其の、 頭上の石を。
高が、 想い一つ如きで、 跳ね除けられるなどと。
想わぬけれど。
其れでも。
僅かな想いが、 少しでも、 其の世界を拡げる糧と成る様にと。
希い乍。
一方で。
其の、 積まれた石の重みを、 真に理解せず。
空想上の重みで、 無責任に、 潰れ掛けるのだ。
個対個。
直に、 向き逢う事を許された、 間柄ですら。
何度も、 何度も、 怯む俺に。
「辛かったんだ。」 「数人での交渉になると。」 「どうしても聞こえない私が遅れてしまうから。」
個対複。
音の発する方向すら、 捉えられぬ、 坂の街の人は。
何を想うのだろう。
「絶対に卑屈にならなかったの。」 「小坊主の想いに包まれていたから。」
坂の街の人が、 そう、 口にする程。
俺に、 芯は無いのにね。
---------- References Jan.29 2007, 「相手の言葉を使いこなせますか」 Feb.25 2007, 「響きを贈れて居ますか」 Apr.05 2007, 「好きな花は何ですか」
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