其の、 一つ一つは。
飽く迄、 個別に流れ在る物だけれど。
其の、 一つ一つは。
少しずつ、 けれども確実に、 相互に、 交じり遇うのだ。
其れ故に。
少しずつ、 少しずつ、 連動し在る個々は。
不可思議な糸で結わえられた、 一筋の、 流れの様に。
想いを、 連動させるのだろう。
「えへへ。」 「結婚することになりまして。」
唐突に贈られた、 御嬢の声色に。
「もう一つ。」 「おめでとうが在るんじゃ無いの?」
呼応する想いが、 自然と、 漏れだして来る。
自身の流れが、 呼び覚ましたかも知れぬ、 其の想いを。
電話口で噛み締めた。
「ふふ。」 「俺の娘が可愛かったんでしょ?」
言い掛けた核心に、 そっと、 蓋をして。
---------- References Apr.01 2006, 「必要な軽口でしょうか」 Sep.12 2005, 「不治の擾乱でしょうか」
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