寄り添い、 歩む過程で。
一つ、 一つ、 漸増し行く形は。
想いや、 絆を、 具象化した物だけれど。
其の形は。
互いの歩を、 力強くする為に。
其の姿を、 映すのだろうか。
其れとも。
其の形は。
互いの間隙に絡み付く柵の、 具象化に過ぎず。
想いや絆と異なる、 制約の、 其の膨大さを。
巧みに、 示して居るのだろうか。
柵を、 背負わねば。
嫁と言う文字を、 背負わねば。
想いを、 幸せを、 搦め盗られる事無く。
歩を、 進められたかも知れないと。
捨て台詞を残し。
「ひと月だけ待ってね。」 「アパート探してるから。」
姫は、 譲歩の言葉を吐き出した。
掲げた輪状の印を。
そっと、 指から外して。
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