自身の望む、 其の姿形の内から。
何かが、 零れ落ちて終ったとしたら。
眼前に在る筈の、 其の形は。
飽く迄、 贋物かも知れないのだ。
一方で。
既に失った一部を、 追い求め。
欠片を、 拾い上げたいと、 希う時。
其処に。
真に足る要が、 埋もれて居るに違いないのだ。
「日常に戻って来たよ。」
夢の後。
人は、 そう口にするけれど。
実は。
其の日常こそが、 非日常で。
本当は。
失って終った、 ほんの僅かな日常を、 取り戻す為に。
隣の温もりを、 追い求め。
非日常から、 飛び出して居るのかも知れないね。
---------- References Aug.01 2006, 「涙を隠す為の方便でしょうか」
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