自身の、 順位付けから鑑みれば。
其の日付など、 然程、 高い順位には無いけれど。
僅かでも。
其れを高位に想う存在が、 居るのなら。
其の想いは、 格別な宝に違いない。
其れ故に。
一瞬、 日々に埋もれて終った筈の、 其の日付が。
掘り返され、 此の手に、 取り戻された事へ。
一層、 感謝の想いを抱くのだろうか。
娘の、 唐突の発熱は。
俺と、 姫と、 二人の生活を乱し。
そして。
誕生日の、 祝いの時を運んで来た。
「はい。」 「誕生日、何もしなかったから。」
昼過ぎに帰宅した、 姫は。
慌ただしさと同時に、 洋菓子を持参し。
「有難う。」 「喰ったら直ぐ行くね。」
洋菓子を、 味わう間も無く。
俺は、 家を出たのだけれど。
|