広さや、 太さや、 柔らかさや、 曲率や、 暖かさや、 匂い。
僅かな違和感が、 其の、 一つにでも在れば。
決して、 満足の行く心地良さは、 得られないのに。
異なる立場の、 両者が、 自身の立場で望む感覚と。
応じて、 得られる充足感を。
血脈の悪戯は、 一致させて終うのだ。
けれども。
其の場を、 敵に、 譲り渡して終えば。
例え、 目的が違えども。
自身の望む場所を、 自由に、 差配出来なく成るのに。
極簡単に。
其の場を、 明け渡して終う事も。
母より、 子を優先する、 血脈の悪戯なのだと。
言うのだろうか。
きっと。
想いが、 不足して居るから。
姫は、 嫉妬しないに違いない。
「小坊主のそこ好きなの?」 「良かったねぇ。」
「何でだろ。」 「此処に頭擦り付けて寝るんだよね。」
「内祝で贈ってあげるからねー。」 「熨斗付けて贈ってあげるからねー。」
姫が、 唯一好きだと称した、 俺の肩口を。
姫は、 娘に譲り渡し。
「ちょっと待てよ。」 「姫が好きな所が無くなっちゃうじゃん!」
「そうだね!」 「困ったなぁ♪」
さも、 肩の荷が下りたと。
姫は、 満面の笑顔を魅せながら、 口にする。
---------- References Feb.13 2006, 「勢力争いでしょうか」
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