色鮮やかに、 芳しい香の漂う、 其の場へ。
手を変え、 品を変えては、 誘導し。
一度でも、 絡め捕って終えば。
慌てて喰らう必要など、 無いのだ。
仕掛けられた、 媚薬の毒と。
仕掛けられた、 網の目は。
決して。
其の獲物を、 離す事は無いのだから。
其れ故に。
獲物を、 罠へ、 近付ける為だけに。
全力を注ぎ。
自発的に。
蜘蛛の巣へ、 獲物が近付き始めた時には。
じっと、 身を潜めて。
様子を、 伺い始めるのかも知れない。
「だからAB型の人って苦手。」 「戸惑う。」
外側から観れば。
そう、 映るのかも知れないけれど。
違うよ。
心を、 許した瞬間に。
自身は、 必要以上に無防備な腹を、 さらけ出すのだと。
自身の肌で、 何度も、 感じて来たからこそ。
慎重で。
一歩、 踏み出せないだけなのに。
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