其れは。
自身を向上させる、 一つの手段で。
同時に。
効果的な方策でも、 在るのだ。
其れ故に。
自身を、 駆り立てる為の、 糧として。
自身の、 不安を抑え込む為の、 支えとして。
自身の、 惑いを払拭する、 道標として。
自身を、 鼓舞する為の、 術として。
時に人は。
目標の横に、 其れを据えては。
再び、 其れを手に獲る瞬間へ。
眼差しを向け、 突き進むに違いない。
けれども。
自身の、 見据えた場所へ、 辿り着いたにも関わらず。
横に並べた筈の、 報酬を。
手に、 出来なかった時。
何れ程の痛みが。
其処に、 生じるのだろうか。
「せっかくだけれど。」 「食べられないの。」
「如何して?」
「乳が張っちゃって痛いの。」 「だからモチ米とかクリームとか駄目なの。」
「あんなに楽しみにしてたのに・・・」
「小坊主、お腹空いてるでしょ?」 「食べて♪」
「でも・・・」
姫の。
最大の御褒美で在る筈の、 御祝い膳が。
するりと。
姫の手から、 逃げて終った。
---------- References Jul.04 2005, 「おまけが欲しいのでしょうか」
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