< 自分の得手を武器にしませんか >
刻を切り獲る作業には、 二通りの途が在ると言う。
何れかは得手に属し、 方や不得手に属すると言う。
其の二つの内、 得手を武器として山を登り。
其の術に極みを覚えた時、 得手を捨て、 不得手のみで刻を切り獲る。
其処からが、 全ての始まりだと言う。
構図、 露光、 対象、 動き。
切り獲る画を想い描き、 経験と勘を駆使して、 其処に自身の存在を近付けて。
頭で撮る写真。 理詰めで撮る写真。
環境、 手癖、 情動、 雰囲気。
想いの儘、 流れる儘、 自身の存在が近付いて。
心で撮る写真。 勝手に撮らされる写真。
「頭で撮れば良いんだ。」 「理詰めで撮れば良いんだ。」
「技術が追い付いて来た時に。」 「全部捨てて心で写真を撮ってみる。」
先輩の言葉は。
自身の得手を使わぬ愚を、 知らしめる言葉なのだ。
心で創る想いが、 存在するのならば。
頭で創る想いも、 存在し得る。
未だ未だ未熟な、 成長途上の自身なのだから。
得手に蓋をする必要は、 何処にも無いのか。 |
2004年02月08日(日)
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