想いの内で、 永く燻り続けた物で在れば。
其れは、 自身に重く覆い被さる暗闇に、 違いないけれど。
逆に言えば。
一朝一夕で改善する想いでは無く、 緊急性など持たないのだ。
徹夜も厭わぬ作業をすると、 宣言の上で、 二人の会話を繰り延べした筈なのに。
敢えて、 話せぬかと問われれば。
慌てて携帯を手に取ると。
自然に、 考えないのだろうか。
其れとも。
会話の要求に応じた俺が、 悪いのか。
姫の言う通りに。
「何故、今、其の話をするの?」
「何が?」
徐々に解けて居た筈の、 氷壁が。
一瞬で凍り付いた事を、 自覚ながら。
「何で今夜なの?」
「どういう事?」
「巫山戯るな。」
自分の事のみで、 世界を形創る姫に。
俺は益々、 感情を高ぶらせた。
俺が、 想い遣りの足りぬ雄で在る事位は、 理解して居るけれど。
姫の振る舞いも。
充分、 思い遣りの無さを露呈して居ないのか?
「産まれて初めて。」 「思いやりが無いと言われたよ。」
俺は姫へ、 一つ暴言を重ねた。
自分の事のみで、 世界を形創ったのは。
俺の方なのに。
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