雲間の朝日に想うこと


< 初めの言葉は何だったでしょうか >


彼方から、
此方へ。

此方から、
彼方へ。


流れ、
留まり、
発ち、
宿り。

大空を飛び交う、
其の姿も。





旅を終え。

其の翼を休める、
終着駅で。


静かに、
静かに。

瞳を閉じる、
其の姿も。






何度か。

此の目に、
映して来たけれど。







唯一。


旅路の起点には。

自身を、
重ねた事が無かったのだ。









其れ故に。





起点を、
目の当たりにして。

掛ける言葉の、
乏しい事に、
戸惑いを覚えて終う。













お帰り?

此処が始まりだ。


初めまして?

数日前に、
贈った言葉だ。


いらっしゃい?

御客では無い。











 「お帰り。」
 「お疲れさま。」


量る迄も無く、
重い役目を成し遂げた姫に。

退院の祝いと、
労いの言葉を掛けて。



娘に、
的確な言葉を贈れぬ、
自分自身を。

誤魔化した。






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2006年02月09日(木)


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2003年02月09日(日) その涙は何色ですか
2002年02月09日(土) 想わせる事が罪ですか





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