其の針は、 絶えず振動し続け。
何時でも、 同じ位置を示し続ける事は、 無いのだけれど。
其の針には。
大きく振れる瞬間が、 確かに在る。
其れ故に。
針に備わる、 膨大な受容体を。
一つ、 一つ、 探り当て。
刺激を、 贈り続ける筈なのに。
其れでも。
何の刺激が、 大きく、 波を起こしたかなど。
皆目、 検討が付かないのだ。
想いは。
何に応じて、 動いたのだろう。
何処が不足し、 何が、 其れを埋め合わせたのだろう。
「何かが昨日吹っ切れたみたい。」
其の、 姫の文字からは。
日付意外、 何も、 見出せない。
あやふやな、 雰囲気の儘で。
「結論じゃないけど・・・」 「入籍の事前向きに考えようと思う。」
少しだけ、 姫の針が俺に向いた。 |