本来の意義は、 恐らく、 其処に在るのだ。
確かに、 形に縛られた、 余計な、 拘束具かも知れないけれど。
其れを纏う意味は、 きっと、 決意表明に在るのだ。
其れ故に。
信の置けぬ相手なら、 躊躇し。
想いの中に、 踏み込む決意を、 強く、 持ち得た瞬間。
意思表明として、 其の形に、 名を記すに違いない。
芯が無いのだ。
姫が、 踏み込む勇気を持てぬなら。
幾らでも、 支える事は出来るけれど。
「結婚したら。」 「小坊主が他の女に行っても別れられないじゃん。」
其の言葉を吐ける程、 想いに、 柱が無い以上。
支えた想いは、 きっと、 掌から零れ落ちる。
砂の様に。
「私のこと中途半端にしないで。」
そう口にしたのは、 確か、 姫であった筈なのに。
「母子手帳もらいに行くまでに籍入れなかったら。」 「籍は入れないってことだからね。」
半端な想いを残した儘、 勝手に、 決め事を増やして。
姫は、 一人納得顔だ。 |