世の中には。
確かに、 一般的な価値基準が、 創られて居て。
其の型に準ずるを由とする風潮が、 在るけれど。
其の価値基準は、 決して、 全てでは無く。
根幹の想いこそ、 優先されるべき事だ。
けれども其の上で。
結果的に、 価値基準に沿う形を、 選択した時に。
想いでは無く、 形を、 優先したのだと。
判断されるのだろうか。
自身の価値観に、 自信を、 抱けない。
姫は、 一度経験済みで。
飽く迄、 俺に、 経験値は無いのだ。
「籍入れなきゃ・・・産んじゃだめ?」
「出来れば・・・入れて欲しいよ。」
「どうして?」
「姫も此の子も護って行けない。」
「やっぱり世間体を気にしてるだけね。」
例えば。
母子手帳に、 俺の名を記したいと願う事も。
世間体を気にする振る舞いと、 姫は言うのなら。
俺の望む事も、 姫の望む事も。
全ては世間体だ。 |