互いの想い遣りが、 不足する時。
互いの主張が、 食い違う時。
諍いの因は、 何らかの擦れ違いに、 在るけれど。
互いの、 より深い理解の為に。
或いは、 互いの歩み寄りの為に。
其の諍いを、 用いる事が出来るのなら。
もしかしたら。
諍いも、 本望だろうか。
目的を一にする、 諍い程。
同じ想いの為の、 諍い程。
空しい物は無い。
寝ぼけ眼の儘。
互いに、 穏やかで温かな空間を、 貪る筈だったのに。
「姫、ぎゅっぎゅ。」
「小坊主、ぺろぺろ。」
「ぎゅっぎゅして。」
「ぺろぺろが嫌なのね!」
「そうじゃなくて。」
「良い、知らない。」
何故に、 諍いを被らねばならぬのだ。
多分。
お互いが共に、 自分勝手なのかも知れない。
だから。
進む事も、 絶つ事も、 出来ずに居るのだ。 |