何度も、 何度も、 煮え湯を飲まされて。
十二分に、 記憶は、 埋め込まれたから。
危険に応じる其の場所が、 半ば自動的に、 注意を喚起する事は。
飽く迄、 正常かつ自然な反応だけれど。
本来は、 防衛的に機能する為の、 場所だから。
身体に、 何の危険も及ぼさぬ筈の、 略奪劇が。
何故に、 眠りをも侵食するのだろうか。
俺のおかずが、 減って終った事を。
想った以上に、 今迄姫は、 悔いて居たのだろうか。
「舌なめずりしてたんだよ!」 「だからもう一回買いに行ったんだよ!」
我が家には、 居ない筈の飼い猫に。
買ったばかりの鰊を、 喰われ。
「小坊主がお水あげないからだよ!」
自身の油断を。
何時も通りに、 姫は俺に擦り付る。
「夢であのにしんを食われたの!」 「わざわざまた買いに行ったんだから!」 「小坊主がちゃんと猫に水あげてれば・・・」
「それを俺のせいにするなよ。」
昼寝から寝覚めた姫は、 一気に捲し立て。
そして、 冷蔵庫の鰊を、 確認しに向かった。
そろそろ、 逢いに行こうか?
---------- References May.20 2005, 「傍に望むのは違う相手でしょうか」 May.13 2005, 「俺より想いが深い日なのですか」 |