極限は。
其の身から、 余裕を奪い行くから。
見えぬ様にと、 隠し潜めた想いを。
時に、 表出させるのだ。
其れ故に。
想いが揺さ振られる、 其の時に。
寄り添い、 支える対象を。
人は、 求めるのかも知れない。
揺れながら。
大きく、 揺れながら。
少しずつ、 姫の本音が響いて来る事へ。
零れる笑みを、 必死に、 隠し続けた。
「息子の事をお願いしたいの。」
「うん。」
「受験生だし。」 「でもちょうどお産になっちゃうから。」
「うん。」
「私自身が余裕がなくて。」 「もっとちゃんと育ててあげられればって。」
「うん。」
「受験のことわかるの、小坊主だけでしょ?」 「私にはわからないから。」
「うん。」
産んでも、 産まなくても。
出来て居ても、 出来て居なくても。
今回の、 俺と姫の間の結論と、 関係無く。
其れは、 当たり前の役目でしょ?
---------- References Aug.05 2004, 「想いは壁を創って居たのですか」 |